令和5年4月から雇用保険料率が上がります
去年10月に上がったばかりの雇用保険料率ですが、今年4月からまた上がります。
一般事業の場合 13.5/1,000 → 15.5/1,000 です。
内訳は、労働者負担6/1,000 事業主負担9.5/1,000。
給与計算の際、間違えないようにくれぐれも注意しましょう。
雇用保険料率変更のタイミング
労働者負担の雇用保険料率は、賃金の締日を基準に変更します。
具体的には、
「4月1日変更の場合、4月1日以降最初に到来する締日により支給される給与から変更」します。
例えば、
①末締め翌月10日払いの場合
5月10日払い分から新雇用保険料率
①20日締め当月25日払いの場合
4月25日払い分から新雇用保険料率
図で示すと次の通り。
このルールを知らず、誤ったタイミングで変更している方結構多いです。
(かつて、わたしもそうでした、、。)
ご注意ください。
雇用保険料率の変遷及び変更の背景
厚労省発表「雇用保険率に関する参考資料」を元に、雇用保険料率の変遷をグラフにしてみました。
なんとなく、ずっと上がり続けている印象があったんですが、そうでもありませんでした。
昭和50年の雇用保険発足以来、コロナ前の数年が一番低かったんですね、意外でした。
雇用保険料率が令和4年以降ハイペースで上がっているのは、コロナの影響により失業手当や雇用調整助成金などの給付が増えたためです。
休業や時短を余儀なくされた多くの顧問先が雇用調整助成金を活用しているのを目にしてきたので、財源枯渇で保険料は引き上げざるを得ないだろうことは早い段階から予測がついていました。
この助成金のおかげで何とか経営を維持できた会社がある一方、不正受給も問題となりました。
各労働局のHPに不正受給した事業主の情報が公開されています。
なお、延長に延長を重ねてきたコロナ特例の雇用調整助成金は令和5年3月で終了し、4月からは従来の雇用調整助成金のみになる予定です。(参照:雇用調整助成金 新型コロナ特例措置が終了 4月から通常運用へ | NHK | 新型コロナウイルス)
まとめ
コロナの影響で上がり続ける雇用保険料、今後も引き続き上がっていくのか、それともここで打ち止まるのか予測がつきません。
先日からマスク着用が緩和されましたし、コロナの感染法上の分類が5月8日以降はインフルエンザと同じ「5類」に引き下げられますので、ここで止まるんじゃないかと楽観視したい気持ちもありますが、なんともいえません。
今後の情報もしっかりチェックしていきたいと思います。