電話対応は誰の仕事?
今勤務している会計事務所では
事務所にかかってきた電話に最初に出るのは
勤務年数の長いベテラン職員です。
(担当者不在の場合や登録のない相手からの電話のみ)
わたしは、途中、別の会計事務所に3年ほど勤めていますが
トータルすると今の事務所に勤めて約7年。
勤務年数だけでいえば長い部類に入るので
率先して電話対応しています。
よっぽど人がいないとき以外
新人やパートさんが電話に出ることはなく
入社したての頃は違和感がありました。
それまで勤めていた一般の会社では
電話に出るのは新人の仕事だったので
「えっ!ベテランが率先して電話に出てる!なんで!?
新人の仕事じゃないの??」
と不思議に思ったものです。
このスタイル
代表の先生から指示があったわけではなく
自然とそうなっていったようです。
おそらく20年ほど勤めている一番のベテラン職員が
率先して電話に出ているから
自然とそういう流れができていったのかと。
ベテランが電話対応することのメリット
新人がすることが多い電話対応ですが、
ベテランがすることにメリットはあるんでしょうか。
わたしの考えるメリットは次の2点です。
・電話をかける側のストレスが少ない
・新人が電話に出るプレッシャーがない
電話をかける側のストレスが少ない
電話をかける側の立場に立つと
新人よりもベテランが対応してくれた方がスムーズでストレスがありません。
(言葉遣いや口調など人柄的な部分や丁寧さは同じと仮定した場合。)
主な理由は次のふたつ。
・担当者不在でも簡単な質問ならすぐに答えてくれる。
・継続的な取引先なら自分のことを認識してくれているので安心。
会計事務所は関与先からよく質問されます。
「こういう場合はどういう仕訳?」
「○〇からこういう書類届いたんだけど何?」
「年末調整に○○って必要?」
など。
他にも社会保険・労働保険・給与計算など
会計以外の質問も結構あります。
一般的で簡単な質問であれば
ベテラン職員ならその場ですぐに回答して済ませることができます。
新人だと安易に返事をするわけにもいかず
「担当者が戻り次第折り返します。」「確認します。」
になって時間がかかります。
最初からベテランが出てくれるとその時間はかかりません。
かける側にしたら
待つという時間のロスやストレスがないので快適です。
難しい質問ではないのに待たされるのは結構なストレスになります。
また、ベテラン職員は自分が担当していなくても
関与先の会社名は大体把握しているので
いつかけても自分のことを認識してくれているので安心です。
新人や時短勤務のパートさんなんかだと
全関与先を把握できるわけもなく
どちら様ですか?状態になることもしばしば。
このちょっとしたやりとりがストレスになる可能性はあります。
会社名や自分の名前を何回も聞き直されたり、
ときには営業電話と勘違いされたりなんてこともありえます。
新人が電話に出るプレッシャーがない
入社したばかりの新人やフルタイムではないパートさんが
電話対応する場合、
対応する本人の立場になると
「よく分からない人からかかってくる電話に対応しなければならない」
ということになります。
勤務年数が短かったり、勤務日数が少ないので当然です。
そもそもそこが関与先なのか?
関与先だったとしてうちの担当は誰なのか?
が分からないので受ける側からすると結構なプレッシャーがかかります。
中には「電話に出る人は全員自分を知っている」というスタンスで
お話をはじめるお客様もいらっしゃるので
そういった電話に対応する場合、
新人であればあるほどストレスがかかるものです。
その点ベテラン職員なら
「よく分からない人からかかってくる電話」
に対応することは少ないのでプレッシャー度合いは少なくて済みます。
ベテランが電話対応することのデメリット
一方デメリットは
電話を受けるベテラン職員の負担です。
ベテラン職員の負担
具体的には、
「ベテラン職員のストレスが増える」
「仕事の効率がおちる」
「時間がとられる」
です。
電話を受けるとその時にしている仕事を一旦中断することになります。
電話がなる回数が多ければ多いほど
中断される回数が増え時間のロスとストレスが増えます。
ベテランほど単純作業は減り考えたり判断したりという業務の割合が増えます。
単純作業の場合いったん中断されてもすぐに戻って再開することができますが、
考えたり判断したりという業務は一旦中断すると続きから再開ということが難しく
まただいぶ前に立ち返って考えなおすなどの工程が必要となり仕事の効率はかなり下がります。
また、顧問先からの電話であればまだいいんですが
営業電話なんかだったりするとかなり萎えます。
コピー機、求人媒体、NTT関連、HP関連、不動産会社など
結構な頻度でかかってきます。
営業電話は代表の先生につなぎません。
とはいえガチャ切りするわけにはいかず
「今代表が忙しいので、、、」
「必要ないので、、、、」
などと丁寧に断らなければならないので
この時間のロスやストレスもかなりあります。
結局電話対応はベテランか?新人か?
わたしの個人的な考えとしては
「電話対応はベテランがすべき」です。
ベテラン職員の負担は確かにあるんですが
なにもひとりで対応しなければいけないわけではありません。
それに、何をおいても電話対応が最優先!とも思っていません。
どうしても中断したくない仕事をしているときは
他の人に任せればいいのです。
今、実際にそうしています。
(もちろん自分宛てにかかってきたときに対応せざるを得ませんが。)
お客様のメリットの大きさ&新人やパートさんのストレスの少なさを優先した方が
会社全体としてのメリットは大きいと感じます。
まとめ
今年ひとり税理士として独立予定です。
「ひとり」なので電話対応はすべてじぶんで行うことになります。
他の人に任せるという選択肢がありません。
多くのひとり税理士の先輩方は電話を嫌う傾向にあり
原則、電話対応はしないと決めている方も多いです。
わたしは個人的に電話対応はそんなに嫌いではありません。
(好きでもありませんが。)
嫌いなのは、苦手なお客様、というか対応の難しいお客様からの急なお電話。
(かかってくると心臓がギュッとなったりします。)
お客様(かける側)の立場に立てば電話はあった方が便利なんでしょうが
受ける側のストレス、時間のロス、効率低下などと
天秤にかけると独立後じぶんはどうしたものか迷います。
テキストコミュニケーションが増えてきたとはいえ
電話というのもまだまだ主流な通信手段のひとつです。
簡単に結論は出なさそうです。
独立までの数ヶ月少し悩んでみようと思います。