税務調査でみられるポイント3選
先日、久々に税務調査がありました。
本来この時期(2月半ば~3月半ば)に
税務調査が入ることはありません。
今回は、元々1月予定の調査が
顧問先の都合で2月に伸びた、
という状況でした。
本記事では、
税務調査でみられるポイントを3つ
紹介します。
経営者の方、税務調査時に慌てないよう
普段から気を付けておきましょう!
店舗営業している業種は内偵調査を覚悟
今回税務調査の対象となったお客様、
メインは卸売ですが、飲食店も経営していました。
そこの飲食店に、事前に内偵調査が入っていました。
内偵調査とは、事前に税務調査官が
客として潜入し調査すること。
潜入・調査といってもお店側から見たら
ただのお客さんですからまさか税務調査官
だとは思わないでしょう。
(今回は、若い女性調査官でしたのでなおさら。)
調査時に
「〇月〇日の売上をすべて見せてください。」
と言われ提示しました。
そこで、調査官が実際に飲食した売上が
あることをチェックされました。
現金商売は売上がごまかしやすいです。
しかし、安易な売上除外はばれますので要注意です。
(というか脱税ですから言語道断。)
また、売上除外のチェック以外にも
従業員数・会計の流れ・客の入りなんかも
チェックして売上規模等を推察している側面もあるかと思います。
内偵調査は飲食業がメインのイメージですが
これまでの関与先では美容院にも入ったことがあります。
他、わたしは経験はありませんがパチンコ店や
風俗店にも入ることがあるようです。
あたりまえのことですが、
現金商売だからと言って安易に
売上をごまかしてはいけません。
多額の「現金」はその場で金庫を見られる
帳簿に多額の「現金」勘定が残っていると危険です。
今、取引先との決済は口座振替や銀行振込で
行われることが多いです。
飲食・美容院・小売等
いわゆる現金商売といわれる業種であっても
クレジット決済やQRコード決済などが増え
現金決済の機会は減りました。
よって通常は多額の現金が会社に
残ることはありません。
これまでの経験からいって
現金商売で1~2店舗なら
残高100万円程度が上限かと。
数百万円ましてや1,000万円をこえる現金
は通常あり得ないので必ずチェックされます。
今回のお客様、期末時点の現金残高が
1,200万円ありました。
なのでもちろんチェックされました。
そりゃ疑いますよね。あるはずないだろうと。
調査の時点でも帳簿上1,000万円近い残高が
あったんですが、帳簿通りの金額が1円の
くるいもなく金庫に保管されていたので
全く問題なしでした。
その場で経理担当者がすべての金種を数え、
税務署側が持参したチェック表に残高記入し
サインして問題なく終了。
売上規模が比較的大きく
さらに、現金取引が多いため、
残高が常に多くなってしまうという会社様でした。
現金残高が多いと絶対ダメというわけではありません。
今回のお客様のようにそれが「事実」
であれば全く問題はないのです。
問題なのは帳簿上だけ現金勘定が
増えてしまって実際には無いという場合。
会社の口座からプライベートな
お金を引き出したり、
経費清算をしないままでいると
気付いたら現金勘定が多額に、、、
なんてことになります。
なお、帳簿通りの現金がない場合、
最悪、差額は役員賞与として給与課税されてしまいます。
そうすると、役員賞与は損金不算入で経費にならず、
さらに源泉徴収もしなければならず、
個人としては給与所得が増えることにより所得税が発生します。
こんな最悪の事態に陥らないよう
仕事とプライベートの線引きはキチッと
つけておきましょう。
多すぎる交際費
今回の調査では指摘されませんでしたが、
交際費は必ずチェック対象になります。
チェックされるのは、
それが事業に関係するものかどうか。
プライベートなものが混ざっていないか。
そこで普段からしておくべきことは、
飲食にしろ贈答品にしろ、
相手先名・人数を必ずレシートや領収書に
(出納帳でもOK)メモ書きしておく
ということ。
面倒くさいかもしれませんが
これは絶対しておくべきです。
以前調査に入られたお客様で多額の交際費
を使っている方がいました。
会社の規模や従業員数からみて
確かに多かったです。
しかし、その会社ではすべての交際費・会議費につき
相手先の会社名及び参加者名を記載していました。
1枚残らず全て。
結果、問題なしで調査は終わりました。
交際費の割合が高いと目立つので、
何かしら指摘は受けるでしょう。
しかし、それが事実なら割合が
高いことを理由に否認はされません。
ただ、事実だと主張するためには準備が必要です。
といっても、レシートに相手先名・人数を書くだけ。
それだけで、事業に関係ある経費だと主張できますし、
税務署は「ちゃんとしてる会社だ」という印象を持ってくれます。
交際費のレシートには相手先名・人数を書く癖をつけましょう。
まとめ
約10年この業界にいますが
税務調査対応の経験はそう多くありません。
ここ3年程はコロナの影響で
調査自体止まっていましたし、
以前勤めていた会計事務所は
調査がほぼ入りませんでしたので。
医科・歯科専門だったので利益の
出ている顧問先が多かったんですが、
当時の先生曰く
「是認が多いから入らなくなった」
とのこと。(真偽は不明です。)
少ない経験ながらも思うことは、
後ろ暗いことをしていない限り、
税務調査はそこまで怖がらなく
てもいい、ということ。
もちろん、
後ろ暗いことをしていなかったとしても
思わぬところで誤りがあり指摘を受けることもあります。
なので不正をしていなければ絶対大丈夫!
とは言えませんが、むやみやたらと怖がる必要はありません。
いつくるか分からない税務調査にビビるより、
普段から、「後ろ暗いことはしない」「適切な会計処理をする」
を心掛ける方がずっと有意義ではないでしょうか^_^