社会保険料の給与天引きのタイミング
社会保険料率が変更になったとき、
従業員の入退社があったとき、
どのタイミングで社会保険料率を変更したり
給与天引きをすればいいのかについて解説します。
当月徴収or翌月徴収
社会保険料は
「当月徴収」と「翌月徴収」の2パターンあります。
※ここでいう社会保険料とは健康保険料+厚生年金保険料を指します。
名称通りですが
「当月徴収」は当月分の社会保険料を当月支給の給与から控除し、
「翌月徴収」は当月分の社会保険料を翌月支給の給与から控除する方法です。
図で示すと次の通り。
当月徴収
当月分の社会保険料を当月支給の給与から天引き!
翌月徴収
当月分の社会保険料を翌月支給の給与から天引き!
社会保険料の納付が翌月であることから
給与天引きのタイミングも「翌月徴収」としている会社が多いです。
社会保険料率が3月分から変更となる場合
「当月徴収」は3月支給給与から、
「翌月徴収」は4月支給給与から料率変更します。
いつ働いたかではなく、いつ支給したか
当月徴収、翌月徴収を考えるときに
間違えないようにしてもらいたいのが
いつ働いた分かは関係なく
いつ支給したかで考えるということです。
例えば
①末締め翌月10日払いの場合
「当月徴収」なら
3月分の社会保険料は3月10日支給の給与から天引き「翌月徴収」なら
3月分の社会保険料は4月10日支給の給与から天引き
②20日締め当月25日払いの場合
「当月徴収」なら
3月分の社会保険料は3月25日支給の給与から天引き「翌月徴収」なら
3月分の社会保険料は4月25日支給の給与から天引き
〇月分の給与≠〇月に働いた分の給与ですので、
間違えないようにしましょう。
社会保険料に日割りの概念はない
もうひとつ気を付けていただきたいのは
社会保険料に日割りの概念はないということ。
例えば、
3月15日入社の人の3月分の社会保険料は
まるっと1ヶ月分かかり
31分の15で計算するわけではありません。
社会保険料は月末に在籍しているか否かで徴収の要否を判断
日割りの概念がないなら、月の途中で入退社があった場合の
社会保険料の天引きはどうすべきでしょうか?
結論からいうと
月末時点で在籍しているか否かで判断します。
厳密にいうと、
社会保険料は資格喪失日(退職日の翌日)
の属する月の前月までかかります。
具体的な日付でいうと
①4月30日退職の場合
資格喪失日は退職日の翌日なので5月1日
社会保険料は資格喪失日の
属する月(5月)の前月(4月)
までかかるので、4月分の社会保険料
まで天引きする必要あり
②4月29日退職の場合
資格喪失日は退職日の翌日なので4月30日
社会保険料は資格喪失日の
属する月(4月)の前月(3月)
までかかるので、3月分の社会保険料
まで天引きする必要あり
図で示すと次の通り。
まとめ
自社が当月徴収なのか翌月徴収なのかを
きちんと把握しておかないと、
Aさん当月徴収・Bさん翌月徴収
なんてことにもなりかねません。
社会保険料徴収のタイミングは
会社ごとであって人ごとではありません。
社会保険料率変更時、従業員入退社の際は
自社が「当月徴収」なのか「翌月徴収」なのかを
正確に認識したうえで対応しましょう!