Wワーク

副業していても確定申告しなくていい人~20万円の壁~

会社勤めの方は、会社で年末調整をしてくれるので、原則確定申告をする必要はありません。

しかし、Wワークの方・副業のある方は、メインの収入と合わせて確定申告をする必要があります。

メインの会社の年末調整では、その会社から得た収入しか把握できないからです。

とはいえ、一定の要件に該当すれば確定申告しなくてもOKです。

今回は、
どのような人が確定申告が必要で、
どのような人が不要なのかについてお知らせしたいと思います。

まとめたものがこちらの図です。

それぞれについて詳しく見ていきます。

メインの会社以外からも給与をもらっている人

給与を2ヶ所以上からもらっている人は、原則、確定申告をする必要がありますが、サブの給与収入(所得ではなく収入です)が20万円以下であれば確定申告しなくてOKです。

サブの給与収入

(確定申告が必要な人)国税庁HPより

給与を2か所以上から受けていて、かつ、その給与の全部が源泉徴収の対象となる場合において、年末調整をされなかった給与の収入金額と、各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く。)との合計額が20万円を超える

給与以外の名目で副収入がある人

ブログ運営の広告収入、YouTubeの収益、Uber Eatsの配達員、FX、仮想通貨etc・・・

雇用契約を結んで給与としてもらえば給与所得ですが、
雇用契約がない場合は雑所得あるいは事業所得となります。

その場合、原則は確定申告が必要ですが、給与以外の所得(収入ではなく所得=利益です)が20万円以下であれば確定申告しなくてOKです。

副業

(確定申告が必要な人)国税庁HPより

「給与を2か所以上から受けていて、かつ、その給与の全部が源泉徴収の対象となる場合において、年末調整をされなかった給与の収入金額と、各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く。)との合計額が20万円を超える

メインの会社以外からの給与があり、更に、給与以外の副収入もある人

原則は確定申告の必要がありますが、サブの給与収入(所得ではなく収入です)と給与以外の所得(収入ではなく所得=利益です)を足したものが20万円以下であれば確定申告しなくてOKです。

副業

(確定申告が必要な人)国税庁HPより

「給与を2か所以上から受けていて、かつ、その給与の全部が源泉徴収の対象となる場合において、年末調整をされなかった給与の収入金額と、各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く。)との合計額が20万円を超える

サブの給与収入が20万円超でも確定申告しなくていい人が・・

実は、サブの給与収入が20万円超の人でも確定申告しなくていい場合があります。

それは以下に該当する人です。

(確定申告不要な人)国税庁HPより

給与所得の収入金額の合計額から、所得控除の合計額(雑損控除、医療費控除、寄附金控除及び基礎控除を除く。)を差し引いた残りの金額が150万円以下で、さらに各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く。)の合計額が20万円以下の方は、申告は不要です。

難解極まりない規定で、一度読んだだけでは誰も分からないと思いますが、

ざっくりいうと、

サブの給与収入が20万円超でも確定申告しなくていい人

①給与収入(所得ではなく収入)から所得控除(一部)をひいた残りが150万円以下
②給与・退職以外の所得が20万円以下

この2つの要件を両方とも満たす場合は、サブの給与収入が20万円を超えていても確定申告不要です。

具体例でいくと次の通りです。

【具体例】
・メインの給与収入(所得ではなく収入)200万円
・サブの給与収入(所得ではなく収入)30万円
・所得金額の合計額 130万円
(配偶者控除・配偶者特別控除・扶養控除・障害者控除・寡婦控除・ひとり親控除・勤労学生控除・社会保険料控除・小規模企業共済等掛金控除・生命保険料控除・地震保険料控除)

・給与所得の収入金額の合計額 200万円+30万円=230万円
・所得控除の合計額 130万円
・給与・退職以外の所得金額 0万円

①230万円-130万円=100万円 ≦ 150万円 

②0万円 ≦ 20万円

①②いずれも満たすので、サブの給与収入は20万円超ですが、確定申告は不要ということです。

気を付けるポイント

この規定に該当するので確定申告不要となった方、気を付けていただきたい点があります。

気を付けるポイント

・住民税の申告は必要!
・メインの会社で年末調整していない人は20万円以下でも確定申告必須!
・医療費控除等のためそもそも確定申告をする場合には20万円以下でも申告に含める必要あり!

住民税の申告は必要!
この規定は所得税独特の考え方です。住民税には該当しませんので、住民税の申告だけは必須です。
税務署に確定申告書を出すとその情報が勝手に各市町村に回り住民税の申告もしたことになりますので、「所得税の申告と住民税の申告は別物」という認識のない人が大半かと思います。
しかし、このように住民税だけ申告するパターンというのも存在します。

メインの会社で年末調整していない人は20万円以下でも確定申告必須!
この規定はメインの会社で年末調整していることが前提です。
給与収入が2000万円超、メインの会社を途中でやめた人など年末調整をしていない場合は適用されません。

医療費控除等のためそもそも確定申告をする場合には20万円以下でも申告に含める必要あり!
この規定は「確定申告をする必要があるか否か」に関するものです。
なので、他の要因でそもそも確定申告をする人には関係のない規定です。
確定申告するのであれば、サブの給与収入や給与以外の所得が20万円以下であったとしても、それも含めて申告する必要があります。

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