インボイス登録する際の「提出書類」と「期限」
インボイス制度開始まであと半年。
インボイス登録事業者になると決めた方、インボイス登録番号の取得はお済みでしょうか?
本日は、インボイス登録する際の「提出書類」と「期限」についてお伝えします。
「適格請求書発行事業者の登録申請書」を提出
インボイス登録事業者になるのはとっても簡単です。
下記の「適格請求書発行事業者の登録申請書」を税務署に提出するだけでOKです。
国税庁HP「適格請求書発行事業者の登録申請手続(国内事業者用)」をご確認いただくと、申請書のひな形、個人事業者用・法人用それぞれの記載例がありますのですぐに作成できます。
なお、免税事業者が課税事業者となる場合には、本来「課税事業者選択届出書」の提出も必要です。しかし、令和5年10月1日から令和11年9月30日までの日の属する課税期間中にインボイス登録を受ける場合には「適格請求書発行事業者の登録申請書」を提出すれば「課税事業者選択届出書」の提出は不要となっています。
提出方法は「e-tax」か「郵送」
「適格請求書発行事業者の登録申請書」の提出方法は「e-tax」か「郵送」のいずれかです。
どちらでもOKですが、e-taxの方が提出から登録完了までの時間が短いし郵送代もかからないのでおすすめです。
ただ、e-taxを利用するには利用者識別番号の取得や電子証明書を読み込むためのICカードリーダーが必要です。(個人事業主はスマホでもOK。)
なので、利用者識別番号を持っておらずとりあえず早く登録申請してしまいたいという方は郵送の方が楽です。
e-tax
e-taxを利用される方は、下記3つのうちのいずれかの方法でおこないます。
一般的には、一番左のe-taxソフト(WEB版)か真ん中のe-taxソフト(SP版)を使われる方が多いかと思います。
e-taxソフト(Web版)の場合は、ログイン後→「申告・申請・納税」→「新規作成」→「適格請求書発行事業者の登録申請(国内事業者用)(令和3年10月1日~令和5年9月30日)」を選択し、あとは指示に従っていけば作成できます。
1ヶ所トラップがあるとすれば、今(令和5年4月17日現在)申請書を提出しようとすると、「令和5年3月31日までにこの申請書を提出することができなかった事情を入力してください。」との文言が出てしまう点です。
元々は3月31日が申請期限であり、それを過ぎる場合は期限内提出ができなかったことにつき「困難な事情」を記載する必要があったんですが、令和5年度税制改正により「困難な事情」の記載は求めないこととされました。
よって、こちら空欄でも問題はありません。
空欄だと、下記のように「令和5年3月31日までにこの申請書を提出することができなかった事情を入力していない場合、令和5年10月1日に登録を受けることができない可能性があります。」との文言が出てしまいますが、「はい(入力せずに進む)」でOKです。(確認済み)
他は、基本的には画面の指示に従って作成、署名、送信と進んでいけばOKです。
e-taxの場合、登録完了まで約3週間です。(令和5年4月10日現在)
登録完了はe-taxのメッセージボックスで確認できます。
郵送
郵送の場合は、作成した「適格請求書発行事業者の登録申請書」をプリントアウトして納税地を管轄する「インボイス登録センター」に郵送します。
※各センターの所在地はこちら「郵送による提出先のご案内」。
郵送の場合、登録完了まで約2ヶ月かかるようです。(令和5年4月10日現在)
登録完了すると、税務署から登録通知書が郵送で届きます。
提出期限
令和5年10月1日から登録したい場合
インボイス制度開始初日である令和5年10月1日から登録したい場合の提出期限は令和5年9月30日です。
※提出方法「e-tax」にて触れていますが、元々の期限は令和5年3月31日であり、それを過ぎる場合は期限内提出ができなかったことにつき「困難な事情」を記載する必要があったんですが、令和5年度税制改正により「困難な事情」の記載は求めないこととされました。よって、事実上、申請期限が9月30日になりました。
提出してから登録完了まで、e-tax提出の場合は約3週間、郵送提出の場合は約2ヶ月かかりますので(令和5年4月10日現在)、登録を決められた方は早目に提出しておくことをおすすめします。
なお、10月1日までに登録通知が届かなかった場合は、取引先に対してインボイスの交付が遅れる旨を伝え、通知後にインボイスを交付するなどの対応をしておきましょう。
令和5年10月2日以後に登録したい場合
令和5年10月2日以後に登録する場合は、登録希望日から起算して15日前の日までに登録申請書を提出する必要があります。
例えば、令和6年1月1日から登録したい場合は、15日前の令和5年12月17日までに提出する必要があるということです。
なお、令和11年9月30日までの日の属する課税期間については、課税期間の途中から登録申請することも可能です。
よって、事前に提出するの忘れてた!という場合でも、提出日から15日後からであれば登録できますので、気付いたらすぐに提出しておきましょう。
インボイス登録事業者をやめたい場合の「提出書類」と「期限」は?
インボイス登録事業者となったもののやっぱりやめたい、と思うこともあるかもしれません。
その場合は「適格請求書発行事業者の登録の取消しを求める旨の届出書」を「免税事業者になりたい課税期間の初日から起算して15日前の日までに提出」する必要があります。
なお、インボイス登録した時期により2年縛りが適用されてしまいすぐには免税事業者に戻れない方もいます。
それは、登録日が令和5年10月1日の属する課税期間以外である場合、です。
例えば個人事業主が令和6年1月1日からインボイス登録した場合には令和6年令和7年の2年間は強制的に課税事業者となります。
よって、令和6年12月17日までに「適格請求書発行事業者の登録の取消しを求める旨の届出書」を提出したところで、令和7年から免税事業者となることはできません。
この点、十分注意しましょう。
なお、この方法はインボイス制度が始まった後に登録をやめる方法です。
インボイス制度が始まる前(令和5年9月30日以前)に「慌ててインボイス登録してしまったもののやっぱりやめたい!」と思った場合は「適格請求書発行事業者の登録の取消しを求める旨の届出書」ではなく「取下書」が必要です。
「取下書」というのは、届出書や申請書の提出をなかったことにしたい場合の書類であって、特にひな形はありません。「取下書 インボイス」などで検索するとたくさん出てきますので、使い勝手のよさそうなものを利用して提出しましょう。
まとめ
インボイス制度開始の日が迫ってきました。
そもそも課税事業者の方は遅くする理由もないので早目に申請してしまいましょう。
今免税事業者でインボイス登録を迷われている方は、申請書提出から登録完了までの期間を考慮すると7月末~8月末くらいまでには申請しておきたいところです。