会社設立

会社を設立する方法vol2《事前準備》

会社設立を決意したら、まずは下記を決めましょう。

  • 株式会社or合同会社
  • 商号(会社の名前)
  • 会社の目的
  • 役員の任期(合同会社はなし)
  • 決算期
  • 資本金
  • 消費税の課税事業者となるかならないか

「株式会社or合同会社」は、前回の記事「会社を設立する方法vol1《株式会社or合同会社》」にまとめてありますのでそちらをご参照ください。

今回は、そのほか設立時に決めるべき最低限のものについてまとめます。

商号(会社の名前)

商号に使用できる文字は決められています。

使える文字

漢字、カタカナ、ひらがな
ローマ字(ABC・・、abc・・)
アラビヤ数字(1 2 3・・)
「&」(アンパサンド)
「’」(アポストロフィー)
「,」(コンマ)
「‐ 」(ハイフン)
「.」(ピリオド)
「・」(中点)

※すべて全角

「&」以降の符号は、文字を区切る際の符号としてしか使用することができません。
(つまり商号の先頭又は末尾にはつけられない。)

ただし、「.」(ピリオド)については、省略を表すものとして商号の末尾に用いることも可能です。

そのほか、ローマ字を用いて複数の単語を表記する場合に限り、当該単語の間を区切るために空白(スペース)を用いることもできます。

参照:法務省「商号にローマ字等を用いることについて」

そのほか、以前は「同一地域における同一商号の使用禁止」というルールがありましたが、今は廃止されていますので、比較的自由に商号を決めることができます。

ただし、他社と混同されやすい商号をつけてしまった場合、その会社から損害賠償を請求されてしまう可能性がありますし、誰かが商標登録している商号をつけると商標権の侵害となる可能性もありますので、その点は気をつけましょう。

会社の目的

目的は「具体的な事業内容」のことをいいます。

数の制限はありませんので、開業時はしていなくても将来するかもしれない事業も書き加えておいた方がベターです。

(目的は登記事項なので、追加や変更をしようと思ったら、その都度、登録免許税3万円がかかってしまいます。)

そのほか、許認可が必要な事業を行おうとする場合、定款に目的が記載されていないと許認可が下りません。

記載を忘れてしまうと、設立後すぐに定款変更をするはめになるので、設立前に必ず確認しておきましょう。

役員の任期(合同会社はなし)

合同会社に役員の任期はありませんので、ここは気にしなくて大丈夫です。 

株式会社は、1~10年のうち自由に決められます。

以前は最長2年でしたが、2006年の会社法改正により最長10年に変更されました。

任期ごとに登記免許税1万円(資本金1億円超の場合は3万円)がかかりますので、ひとり社長あるいは信頼できる家族のみが役員である場合には、10年としておくことがベターです。

実際、これまで携わった方のほとんどが10年にしています。
(ただ、登記忘れは注意です。過料される恐れがあります。)

他人を役員にいれる可能性がある場合には、あまり長いとリスクがあります。

その役員をやめさせたくてトラブルとなる可能性も想定して、リスクヘッジのため2~4年と短めにしておく方がいいでしょう。

決算期

決算期は自由に決められます。

3月決算、9月決算、12月決算が比較的多いですが、どの月でも問題ありません。

さらにいえば、月末ではなく12日とか26日とか中途半端な日でも問題ありません。

とはいっても事務処理が煩雑になり面倒なので、99.9%の会社が月末を決算日としています。
(過去1件だけ20日を決算日としている会社がありました。)

具体的にいつがいいのか?

これまでの経験でいうと、消費税の免税期間を最大にするため、設立日から1年後を決算期とすることが多いです。

例えば11月設立予定なら10月末です。

ほかには、繁忙期を避けるという考えもあります。

本業で忙しい時期に、決算作業や税理士とのやり取りなどをこなすのは大変でしょうから、繁忙期・閑散期がはっきりしている業種の場合は、閑散期に決算期をおくといいでしょう。

資本金

1円から可能ですが実際に1円で起業した人を見たことはありません。

設備投資の有無や運転資金がどのくらい必要かによりますが、100万円~500万円とする会社が多いです。

高くても1000万円未満(9,999,999円以下)としている会社がほとんどです。

1000万円未満とする理由は2つあります。

ひとつは、1000万円以上で設立すると1年目から消費税の課税事業者となってしまうからです。

消費税の課税事業者になるかならないかは2期前の課税売上が1000万円を超えるかどうかによります。

よって、2期前がない1期目、2期目は、通常、免税事業者になります。
(特定期間の判定により2期目から課税事業者となる可能性はありますが該当する方は多くはないでしょうから説明は省きます。)

しかし、資本金を1000万円以上にしてしまうと、「新設法人」というものに該当し1年目から課税事業者となってしまいます。

※新設法人とは、基準期間(2期前)がない事業年度の期首の資本金が1,000万円以上である法人をいいます。

もうひとつの理由は、1000万円以下と1000万円超では毎年払う法人税(厳密には法人住民税のなかの均等割という部分)が変わるからです。

赤字でも払わなければならない最低限度の税金というものがあるのですが、従業員50人以下の場合、資本金1000万円以下なら7万円ですが、1000万円を超えると18万円です。(1億円を超えるとさらに増えます。)

※地域によってもう少し多いところもあります。

消費税・法人税のことだけをえるならば資本金は1000万円未満とすることがベストです。

ただし、資本金要件のある許認可事業もありますので、税金のことだけ考えて安易に決めず、事前に確認しておきましょう。

消費税の課税事業者となるかならないか

2023年10月以降はインボイス制度が始まります。

資本金1000万円未満で設立した場合、通常、1期目・2期目は免税事業者になれますが、インボイス制度開始後はあえて課税事業者を選択する方もいるでしょう。

2023年9月までに設立される方は、とりあえず免税事業者でスタートして、1期目の途中あるいは2期目から課税事業者となるべきかどうかを決めればいいでしょう。

インボイス制度が始まる2023年10月以降に設立される方は、1期目から課税事業者を選択するか否かを決めておきましょう。

資本金は1000万円未満がベスト、と書きましたが、toBビジネスではじめから課税事業者を選択される方は、資本金1000万円としても問題ないでしょう。(どうせ課税事業者になるので新設法人に該当しても問題ない。)

まとめ

会社設立にあたっては決めるべきことがたくさんあります。

間違えると、損をしたり、直すのに時間・お金・手間がかかることになりますので、慎重にすすめていきましょう。

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